【2201:編集後記】去年より、ずっと、綺麗になった

まえがき

遅ればせながら、皆様、あけましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になりました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

2022年、REASNOTは創刊から4年目を迎えます。

起承転結でいえば「結」のシーズンです。

 

これまでのREASNOTは、形あるフリーペーパー版と、いつでも誰でも自由に無料でアクセスできるWEB版とを中心に展開してまいりました。

フリーペーパー版の頒布にご協力いただけるライブハウス様や、取材対象となるアーティスト様との繋がりはもちろん、制作のノウハウなど、様々なものを「蓄積」してきた3年間でした。

 

2023年からのREASNOTは、蓄積の努力を続けながらも、それらを「残す」ことに重点を置いた活動を展開してまいります。

未来の人々が、平成末期から令和にかけての民衆の生活や文化を知る際に、弊メディアを参考文献として活用してくださることを目指します。

 

私は「今」が好きです。

過ぎ去りゆく「今」を、できるだけ残したい。

何もかも、完璧には難しくても、「きっかけ」は残せると信じています。

 

「これ」を読めば、当時の思い出が鮮やかに蘇る。「ここ」に書いていないことも、次から次へと思い出せる。当時は生まれてすらいなかった、その出来事には無関係の他人でも、景色を、香りを、音を、感じることができる。

そんな本を残したい。

私は『坊っちゃん』に明治の人情を感じさせてもらったし、『枕草子』で平安の香りを楽しませてもらったし、『ガリア戦記』には紀元前1世紀のローマの音を聞かせてもらってきたから。

 

数十年後、数百年後の未来の人々に、「こんなに素晴らしいアーティストがたくさんいて、多様な生き方が溢れる時代があったんだ」と伝えられる書籍を、この世に残すことが夢です。

 

そのために、2023年から、REASNOTは新たな段階へ進みます。

22年は、REASNOTの第一章の集大成を見せられるよう、がんばります!

どうぞよろしくお願いいたします。

Scene.final Smitch

Smitchさんと知り合ったのは、10年ほど前のことです。

そのころ私は、「ピアノ弾き語りシンガーソングライターとしてがんばるぞ!」と、やる気に満ちていました。

2011年11月に初めて秋田犬さんへ出演して、「またうちで歌いなよ」と言ってもらって、毎月ライブをさせていただくようになって、2回目か3回目のときに対バンしたのが、Smitchさんのユニットでした。

いつだったっけな…。2011年の12月か、12年の1月だと思うのですが、すみません。いまひとつ、正確な日付に自信がありません。。

 

確かに覚えているのは、その日の終演後、Smitchさんが「紅葉さんの演奏よかったですね!今度、企画ライブをするんですけど、出てもらえませんか?」と、声をかけてくださったことです。

当時の私は、インターネットでライブハウスやイベントを探し、メールして出演させてもらう、というのがほとんどだったので、企画ライブに誘っていただくのは新鮮な体験でした。

「ぜひ!」とお答えしたことを覚えています。

 

そうして出演したのが、S FES vol.1でした。

 

いやー、大変でしたね。笑。

 

「コラボやりましょう」と言われ、それも珍しいことだったので「いいですね!」と引き受けたものの。初めて聞く曲をやることになり、まったく新しい弾き方をする必要があり、練習やリハが大変でした。

コラボ=有名な曲、有名でなくともお互い知っている曲をやるものだって勝手に思ってたんですが、違いました。。笑

 

一番思い出深いのは、当日のコーナーの一つだった、お絵かき対決です。「ドラゴン」っていうお題のとき、細長い生き物に星柄の丸い玉を持たせてドラゴンボールを表現したら、勝てたのが嬉しかったです。

 

まぁしかし、拘束時間長すぎるし、いろいろ大変すぎたし、、「もう二度とS FESには関わらないようにしよう」と思ったんですが。

 

2013年のvol.3にも出させていただきました。笑

 

それはやっぱり、会場が赤坂グラフィティだったからだと思います。あのステージに立ってみたかったんですよね。

ただ、まぁ、そのときも大変でした。とても疲れました。。。

 

その後、色々あり、私はSSW活動をやめてしまいました。音楽関係の繋がりはほとんど途切れ、当然、Smitchさんとも連絡を取らなくなりました。

再びSmitchさんから連絡をいただいたのは、2017年ごろだったと思います。

私が転職して再上京し、なんとなく昔のTwitterアカウントを引っ張り出して、カープのこととか呟いていて、、何が直接のきっかけだったっけ。とにかく「またS FESに出ませんか」と、声をかけてもらいました。

 

結果として、『S FES 2017 -Strikes Back-』に出演させていただきました。

 

理由は、フルバンドをバックに歌ってみたかったから!

私はもともと、ピアノを弾けない人間なのです。SSW時代も、本当は憧れの歌手みたいに、フルバンドをバックに歌いたかったのです。しかし、自分のために演奏してくれる人を集めるのは、難しすぎました。だから仕方なく、ピアノを弾くようになっただけなのです。

 

S FESに出れば夢が叶うなら……出るでしょう。笑

 

このときもそれなりに大変でしたが、先の2回よりは負担が軽かったです。バンドメンバーさんとか、他の方は、相変わらず大変そうだったけど。。私は長年の夢を果たして、満足な一日でした。

 

それから仕事が忙しくなりました。一瞬だけ復活した音楽仲間との繋がりも薄れ、Twitterも触らなくなりました。

 

三度、Smitchさんから連絡をいただいたのは、2018年の冬でした。

そのころ、私はまた転職して、ちょっと心に余裕ができたので、いくつかのオープンマイクに参加していました。すると、会場のご縁で、久しぶりにライブが決まりました。なんとなくTwitterアカウントを引っ張り出して、気まぐれにライブ告知をしたら、「行きます!」とDMを下さいました。

 

2018年12月、赤坂Salaさんでのライブは、楽しいものでした。

ライブ終了後、お酒を飲みながら、Smitchさんとお喋りしました。約2年ぶりだったので、近況報告とかいろいろ。

話の流れで、「せっかく出版社に勤めてスキル身に着けたし、フリーペーパーでも作りたいなぁ。アーティストさんを取材すれば、宣伝になってWin-winじゃない?でも、しばらく現場から離れてたし、誰を取材すればいいか思いつかないなぁ」というようなことを、ぽろっと呟いた私。

するとSmitchさんは、「僕のおすすめアーティストを紹介しますよ!」と言ってくださいました。

 

そこから、REASNOTの企画書を書き始めました。

とりあえずキャスティングだけSmitchさんに協力してもらって、一年やってみようと。実際のところ、取材・執筆・編集・校正・デザイン・出版の全部をひとりでできるのか?って、自分の能力に対する疑問もありましたし。

 

こうしてSceneシリーズが始まりました。Smitchさんのご紹介で、カメラマンの神崎さんにも参加していただき、賑やかな幕開けとなりました。

 

手探りで活動をしていくなか、新たな繋がりが生まれ、「この人を取材したい!」という気持ちも沸いてきました。

19年夏には、自分でキャスティングまで行うRecordシリーズをスタートし、「これなら続けられる!」という手ごたえをつかみました。

制作も、最初は不安でしたが、一人でできました。19年秋からは鈴木くんがライターとして編集部に加入してくれて、とても助かりました。

 

Sceneシリーズのおかげで、スムーズにREASNOTを始めることができ、ありがたかったです。

 

尾上さんの記事を最後として、Sceneシリーズは、当初の予定通り一年間の連載を完走しました。Smitchさん、神崎さんとの協力関係も終了しました。短いようで長い一年間、ありがとうございました!

 

ただ、真のFinalは、Smitchさんの記事にすべきだろうと思っていました。