2017年にイタリアのフィレンツェへ単身移住し、マーブリングの技法を習得した、らっくあまるも。現在は東京を拠点にアートプロダクトを制作し、様々な企業とのコラボレーションやワークショップへの出演、催事への出展など、幅広い活動を行っている。その活動内容と作品の詳細を聞いた。
ワークショップやデモンストレーションについて
らっくあまるものワークショップでは、約30分の時間のなかで、マーブリングコースターやメッセージカードなどを作っている。
「流れとしては、私がデモンストレーションをしながら手順を説明した後、お客様と一緒に作品を制作します。水面に色を置いて、くしで模様を描いて、写しとる。水面から紙を上げる時は、少しコツが要ります。ボトボトと水滴が落ちるような状態で上げてしまうと、乾くまでの時間が長くなるので、スタッフがお手伝いさせていただいています」
完成した作品は、家に持ち帰ることができる。
「イベントの種類や内容によって、乾かし方を変えています。『ここで乾かしておくので、○時間後に取りに来て下さい』とお伝えする場合と、水から上げてすぐビニール袋で柔らかく包んで、お持ち帰りいただく場合があります」
彼女のInstagramのリールには、実際のワークショップや展示会の店頭で、デモンストレーションを行っている動画が掲載されている。
「これらの動画を見てもらえれば、私が日ごろ何をやっているのか、分かっていただけると思います。一つ作品を挙げて『これが私の代表作です』というより、こうした動画が一番、今の自分を体現していると思います」
ぜひ一度、彼女の活動風景と、マーブリングの制作過程をご覧いただきたい。
日々を華やかに彩る作品群
らっくあまるもは、多種多様な作品を制作している。指輪やネックレス、イヤリングなどのアクセサリー。ランプシェードとしてのマーブル紙をワイングラスに巻き付ける、イタリア生活から着想を得たワイングラスライト。マーブリング紙を使用して作った祝儀袋には、これまた手作りの水引が付属している。
「活動を始めたころは、アクセサリーなどの小物を中心に作っていました。水面に模様を作って写しとる際、気泡が浮いていると絵の具がつかなかったりするので、大きなものを作るのはリスクが高いんです」
イベントなどで着用する服を、自ら縫製したこともある。
「自分のマーブリングアートをスキャンして、布にプリントして、仕立てました。ワンピースは青と緑の2着、スカートは1着あります」

彼女が生み出すマーブリングアートは、インテリアからファッションまで、和風でも洋風でも、あらゆる様式に調和する。
「22年5月には、正規時計宝飾品店・カミネ様のイベントで、ワークショップ講師をさせていただきました。マーブリングは、水と絵の具と紙があれば誰でも手軽に楽しめるアートですが、完成した作品には高級感があります。貴金属や宝飾品ともコラボレーションできるのか、という気づきがありました。マーブリングを生かせる場所や場面を、もっと増やしていきたいです」
次はどんな可能性を探し出してくれるのか、楽しみだ。
文:紅葉
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