【R39：WORKS】シンプルながらも多様な楽曲群で、飽きのこないライブを魅せる

Vo./Gt.梅田風四郎（うめだ・ふうしろう）、Ba./Cho.相沢賢（あいざわ・けん）によるロックバンド、SLINGRIM（スリングリム）。現在はサポートのギターとドラムを迎え、4人体制でライブを重ねている彼らの楽曲の特徴と、目指すところを聞いた。

日本語での表現にこだわった曲作り
3枚のCDと代表曲
INFORMATION
- ◎SLINGRIM公式サイト

日本語での表現にこだわった曲作り

SLINGRIMの楽曲は、すべて梅田が作詞作曲を担当している。

「こういう曲を作りたい、と意識して出てくることはあんまりないですね。僕は理論とかまったく分からないし、ギター弾きながら、口ずさみながら、何となく出てきたものから広げていきます。良いと思ったメロディを繋ぎ合わせて、最後に歌詞を書いています」

梅田が作った曲のデモを元に、全員でアレンジを行っていく。

独学でベースを身に着けてきた相沢は、今も苦労していると語る。

「僕がずっとやってきたキーボードやギター、ボーカル、コーラスって上物なので、ある程度ズレたり、突っ込んだりしても、それがニュアンスになったりグルーヴって呼ばれたりしますけど、ベースやドラムがドタバタしちゃうと、ただの下手くそになっちゃうので。最初のころは基礎的な部分が自分の中で噛み合わなくて、大変でした。まだ修行中です」

梅田は歌詞を書く際、日本語の使い方にこだわっている。

「曲を作り始めたばかりの時期は、英詞を書いたこともありました。パンクやロックが好きなので、憧れがあったんですよね。でも翻訳を通しちゃうと、自分の言いたいことがちゃんと表現できているのか自信がなくて、『無理だな。歌えないな』となりました。今は、日本語で決めてやろうって思ってます。英詩特有の耳触りのよさを、日本語でできたら面白いんじゃないかな」

歌詞の内容は、想像から書くことも、実体験から書くこともある。

「プライベートを見せるのは恥ずかしいので、抽象化したり、普遍的な言葉に置き換えてます。自分の中にある弱い部分と強い部分、純粋な部分とそうじゃない部分とか、多面性を切り取っていたりします。当たり前っちゃ当たり前ですが、僕と似た感性を持っている人に届いたらいいなあ」

相沢は、梅田の歌詞を絶賛する。

「心のどこかに引っかかる歌詞だと思います。それを大事に聴いてくれる人が増えたら嬉しいですね」

ぜひ、彼らの世界観を味わってみてほしい。

3枚のCDと代表曲

25年4月現在までに、2枚のE.P.と1枚のALBUM.を発表してきたSLINGRIM。YouTubeには3本のMusic Videoが投稿されており、最も再生回数が多いのが『飛行船』だ。

梅田は『飛行船』について「21年くらいに作った曲です。僕らの中で一番、誰が聴いても良い曲だと思ってもらえそうだなと思って、MVを撮影しました」と説明する。

相沢は「SLINGRIMのなかでは異色な曲です」と語る。

「僕らは普段、パンクとかメロコアっぽい曲が多いけど、『飛行船』はローテンポで、ハモリもいっぱい入れてるし、テイストが違います。ライブでやるたびに気合が入るし、自分でMVを見ても、良いなと思います」

抜けるような青空の下、草原で演奏する彼らの姿やレトロな遊び道具と歌詞がリンクする、ノスタルジックな作品だ。

現在のSLINGRIMの代表的な楽曲群が収録されているのが、24年8月17日にリリースした2nd E.P.『Dear Lonely Strangers』だ。

「『朝陽』は王道のロックチューンで、メロも歌詞もキャッチーです。『遠吠え』はオルタナティブっぽいんだけど、僕ららしい音に仕上がっています」

特に『遠吠え』に関しては「一回だけ聞いて気に入ってくれる人は、あんまりいないんじゃないかな」と二人は声をそろえた。

「この曲を良いと思ってくれたら嬉しいし、本当にSLINGRIMの音楽が刺さっているんだなって」

どんな人に聞いてほしいですか？と尋ねると「全員です」という答えが返ってきた。

「特定の人に、っていうのは考えたことがないですね。僕らの音楽が響く人がどこにいるかは分からないので。老若男女問わず、とにかくたくさんの人に聞いてもらって、好きになってくれたら仲良くしようよ、って感じです」

まだ彼らの音楽に触れていない人は、一度、聴いてみてはいかがだろうか。

文：紅葉　写真：あずき

INFORMATION

CD 【R39：WORKS】シンプルながらも多様な楽曲群で、飽きのこないライブを魅せる

2nd E.P.『Dear Lonely Strangers』
現在のSLINGRIMの代表的な楽曲群を詰め込んだ一枚。24年10月19日発売。3曲入り、1,000円。
【配信】https://linkcloud.mu/ea3e2e75

Goods 【R39：WORKS】シンプルながらも多様な楽曲群で、飽きのこないライブを魅せる

ラバーストラップ
ライブ会場他で販売中。800円。

Live1 【R39：WORKS】シンプルながらも多様な楽曲群で、飽きのこないライブを魅せる

2025.6.6(金) 　open 18:30 / start 19:00
Sound Stream sakura 25th ANNIV. “go far, go together”
SLINGRIM×Sound Stream sakura pre.
『 Alternative Blossoms』vol.2

[会場] Sound Stream sakura（千葉県佐倉市上志津1785-3 2F）
[料金] 来場￥2,500 (+1drink) / 配信￥2,500
[出演] SLINGRIM,ジョン,GOENDz,LUCKCAME