【R41:WORKS】繊細ながらもアグレッシブな演奏と、喜びを増やし、伝え合うための音楽

Ba.&Vo.穂高亜希子(ほたか・あきこ)、Gt.松尾翔平(まつお・しょうへい)、Dr.吉川賢治からなるスリーピースバンド、ほたるたち。それぞれのソロ活動や別のバンドでのイベント出演を通じて交流を深めた彼らは、2016年10月ごろに結集。これまでに制作してきた2枚のアルバムの内容と代表曲『ほたる』、さらに音楽活動に対する考え方に迫った。

代表曲『ほたる』について

2018年10月24日にリリースした1st album『光』には、穂高亜希子のソロ時代からの楽曲を、ほたるたちとしてアレンジした音源を収録した。

松尾は、当時のことを「レコーディングの経験があまりなかったので、新鮮でした。どうやって音源を作るのかっていうところから学ばせてもらいました」と振り返る。

「録音しながら、エンジニアの中村宗一郎さんから色んなアドバイスをいただいて、『どういう風にフレーズや音色を考えていったらいいか』を考えるきっかけになりました。自分では意識していなかったけど、僕はやりたいことが多すぎて、音を詰め込んでしまう癖があるんですよね。そのことを指摘していただいて、また一つ成長できました」

 

2nd album『虹の向こう』は、コロナ禍を経て、濃さを増した一枚だ。

「結成以降に作った曲の数が揃ってきて、そろそろ録音しようかと話していた時、コロナ禍が来ました。いったん休止している間に『海』と『いのち』ができて、アルバムの最初と最後を飾る曲になりました」

穂高が単独で作詞作曲を手掛けた楽曲だけでなく、松尾が作った曲に彼女が言葉を乗せた『海』『新しい道』『Season’s Song』も収録されている。

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アルバムリード曲の『ほたる』は、ライブで毎回のように演奏する曲となった。

「最初に、『ほたる』ってフレーズが頭の中に流れ出したんです。あとは一気にできました。完成した時、『私たちのテーマソングみたいだな』と思いました」

バンド名が歌詞に組み込まれているからだけではない。

「それまでの私は、自分の内側にこもっていくような曲を多く作っていたんです。でも『ほたる』は、 外側に呼びかけるような曲。このバンドでやりたかったことが、一番表れている曲です。蛍という虫に宛てた歌詞だけど、お客さんに歌いかけている感じでもあるし、自分に歌ってる感じでもあって、ライブでやっていると、すごく熱くなります。不思議な曲です」

彼らの魂そのもののような演奏と歌唱を、ぜひ一度体感してほしい。

音楽活動に対するスタンスについて

2016年10月の結成から約9年が経ち、「バンド内での役割が変わってきた」と語る松尾。

「最初は、色んな面で穂高さんが引っ張ってくれてました。そこから、楽曲のアレンジについて僕が意見を出したり、レコーディングの際にデモを作って行ったりするようになりました。吉川君はワンマンライブの時にグッズを作ってくれたり、海外遠征の時のV logを撮ってくれたりしています。それぞれの得意なことがはっきりして、細分化してきました」

穂高も頷く。

「化学反応というか、三人で一つのバンドなんだなって。『穂高亜希子と○○』みたいな名前にしなくて、本当によかったです。穂高亜希子も消えてきている感じです」

 

彼らは三人とも、一般企業で働きながら音楽活動をしている。

「私たちは、これからもずっと、いわゆる『音楽で生計を立てられる』っていうことがなくても、やっていけると思っています」

一番の目標は、音楽を通じて人と気持ちを共有することだ。

「世の中には、私たちと同じように働きながら、繊細な気持ちで生きている人がたくさんいます。ちょっと心が乾いてしまった時に、ライブへ行って潤ったり、蛍のような綺麗なものを見て、特別な気持ちになったり。そういうことを共有できれば素晴らしいし、私たちにとっては、売れるとか売れないとかってより大事なことです。こういうスタンスも一つの選択肢としてあるんだっていうことを、お伝えしたいですね」

売れるということを否定するわけではない。

「沢山の人に聴いてもらうと喜びが増えるから、絶対いいことです。でも目的は、喜びが増えること。沢山の人と喜びが共有出来たら楽しいですよね」

松尾と吉川も同意する。

「バンドを始めた時はがむしゃらに、無我夢中でやるしかありませんでした。でもフェスでお客さんが号泣してくれたり、中国で演奏したりした時、今までとは違う手応えがあって、続けることでしか見られない世界を感じています」

「最初のころは、自分たちが投げたボールがキャッチされているかどうか、よく分からなかったんです。今は、その感覚が前よりはっきりしていて、すごくいい状態だと思います。この感覚を手放さないで、もっと深めて、人から人へ伝わっていったらいいですね」

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彼らが奏でる音楽は、彼ら自身そのものだ。

「私はずっと閉じた世界で歌っていたけれど、『人に聴かせたい』って気持ちはあったんです。それがちゃんとできるようになるまで、ほたるたちに辿り着くまで13年くらいかかりました。もう40歳を過ぎましたが、普通の方々の25歳くらい、いい感じにさしかかっている年齢ぐらいの気分です。今、ほんとに幸せなんですよ」

彼らの響き合う光が、さらに遠くへ伝播していくことを願う。

文:紅葉

INFORMATION

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2025.11.19(水) 開場 19:00 / 開演 19:30
下北沢440&ほたるたちpresents
『ほたるたちwith大友良英special band set × oono yuki band』

[会場] 下北沢440(世田谷区代沢5-29-15
[料金] 予約 3,500円+d / 当日 4,000円+d
[詳細 / 購入] https://eplus.jp/sf/detail/4385730001-P0030001

 

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2026.1.9(金) 開場 19:00 / 開演 19:30
ほたるたちnew year presents
「ほたるたちワンマン2026『宇宙』」

[出演] ほたるたち
special guest:こまどり社(sax,獅子舞)
special DJ:森本在臣

[会場] 渋谷La. mama(東京都渋谷区道玄坂1-15-3
[料金] 予約 3,000円+d / 当日 3,500円+d
[詳細 / 購入] Googleフォームからご予約ください

 

ライブ会場でのCD販売と、各種サブスクリプションサービスにて音源配信中!

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1st album『光』

2018年10月24日発売。全9曲、¥2,200(税抜)。

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2nd album『虹の向こう』

2022年10月26日発売。全9曲、¥2,400(税抜)。

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『移動遊園地~パラダイス・ガラージ/豊田道倫トリビュート』

豊田道倫/パラダイス・ガラージ30周年を記念したトリビュート盤に参加。2025年11月19日発売。

◎ほたるたち公式サイト

https://hotarutachi.jimdofree.com